直流回路について

例題1 簡単な直流回路

例題2 直並列回路(その1)

例題3 直並列回路(その2)

例題4 直並列回路(その3)

例題5 鳳・テブナンの定理

例題6 過渡現象

例題7 ブリッジ回路(その1)

例題8 ブリッジ回路(その3)

例題9 直流回路の静電・磁気エネルギー

例題10 直流回路の消費電力














例題1 簡単な直流回路

H10電験3種理論)
 図のような直流回路において、R=10[Ω]のときはI=5[A]であり、R=8[Ω]のときはI=6[A]であった。この場合、電源電圧E[V}の値として、正しいのは次のうちどれか。

[   @  35    A  40    B  48    C  50    D  60  ]

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★解説および解答

題意より E=5(r+10)----@  E=6(r+8) ----A

@、Aより5(r+10)6(r+8) ゆえにr=2(Ω)

これをAに代入するとE60 (V)    解答D 

例題2 直並列回路(その1)

(H15電験3種理論)

図のような直流回路において、電源電圧がE[V]であったとき、端末の抵抗の端子間電圧の大きさが1[V]であった。このときの電源電圧E[V]の値として、正しいのは次のうちどれか。

@ 34 A 20 B 14 C 6 D 4

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解説および解答

右端の抵抗と直列の0.25Ωの抵抗に加わる電圧は、1V×2より2Vとなる。

この合成抵抗は025+0250.5Ω であり、左の抵抗0.5Ωと並列回路になるので、合成抵抗は0.25Ωで、電圧は2Vとなる。この抵抗とR1は直列回路で、合成抵抗は0.75Ωで、電圧は6Vとなる。この抵抗とR2は並列回路となり、合成抵抗は3/7Ωとなり、電圧が6Vとなる。

ここにおいて。R33/7は直列回路であり、次式が成り立つ。
  






 これを
Eについて解くと、 E20 (V)       解答 A


例題3 直並列回路(その2)

(H13電験3種理論)
 図のような直流回路において、電源を流れる電流は、100[A]であった。このとき、80[Ω]の抵抗に流れる電流I[A]の値として、正しいのは次のうちどれか。

 @ 3   A 4    B 5   C 6    D 7

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解説および解答

80Ωと20Ωは並列回路であるため、20Ωに流れる電流をI1とすると、電圧が等しいことから次式が成立する。

I1×20=I×80  ゆえに I1=4I

また、この並列回路の合成抵抗は20×80/(20+80)=16 Ω となり、電流は4I+I=5Iとなる。

16Ωと4Ωは並列回路であり、4Ωに流れる電流をI2とすると次式が成立する。

I2×4=5I×16  ゆえに I2=20I

ゆえにこの合成電流は5I+20I=25I 題意より25I=100 (A) なので、

I=4 (A)         解答 A

例題4 直並列回路(その3)

(H9電験3種理論

 図のような回路において、抵抗R[Ω]の値として、正しいのは次のうちどれか。

[ @  2.2   A4.0  B8.8  C10.3 D15.5  ]

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★解説および解答

3Ωに流れる電流をIとすると次の関係式が成立する。

1003I+4R----@ (4Rは、並列回路のRの電圧)

I4+4R/24+2R----A  (4R/2は、並列回路の抵抗2Ωに流れる電流)

@にAを代入してRを解く。

1003(4+2R)+4R

10R=88  ゆえに R=8.8 (Ω)     解答 B


例題5 鳳・テブナンの定理

(H14電験3種理論)

 図1の抵抗回路において、抵抗R[Ω]の消費する電力は72[W]である。このときのpq端子の電圧V[V]をもとめる。次の(a)及び(b)に答よ。

(a)    1のpq端子から左側を見た回路は図2に示すように、電圧源E0[V]と内部抵抗R0[Ω]の電源回路に置き換えることができる。E0[V]とR0[Ω]の値として、正しいのは次のうちどれか。

     @ 40  6  A 60 12  B 100 20  C 60 30  D 40 50

(b) 抵抗R[Ω]が72[W]を消費するときのR[Ω]の値には二つある。それぞれに対応した電圧V[V]のうち、高い方の電圧V[V]の値として正しいのはどれか。 

 @ 36  A 50  B 72  C 84  D 100

 

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解説および解答

鳳・テブナンの定理を利用するのがポイント。

apq端子から左側を見た内部抵抗R0[Ω]は、電圧源を短絡した回路構成となる。つまり、抵抗20Ωと抵抗30Ωの並列回路となるので、R0=20×30/(20+30)=12 Ω  また、電圧は、電圧源100Vと抵抗20Ωと抵抗30Ωの直列回路となるので、E0=100×30/(20+30)=60 (V)      解答 A

(b)Rに流れる電流をIとすると、鳳・テブナンの定理により、

I=60/12+R)となる。また消費電力はRI2で、題意よりこれが72[W]なので、    

72R×602/(12+R)2

これをRについて解く。

R2+24R+14450R  R2-26R+1440

(R-8)(R-18)=0  ゆえに R8 or 18

R=8のときはI=3 そのときの電圧は24V

R=18のときはI=2 そのときの電圧は36V
高い方の電圧は36Vである。  解答 @ 





例題6 過渡現象

(H13電験3種理論)
 図の回路において、スイッチSを閉じた瞬間(時間=0)に抵抗R
1に流れる電流をI0[A]とする。また、スイッチSを閉じた後、回路が定常状態に達したとき、同じ抵抗R1に流れる電流I[A]とする。上記の電流I0及びIの値の組み合わせとして、正しいのは次のうちどれか。

I0

I

@

A

B

C

D

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解説および解答

@スイッチSを閉じた瞬間は、コンデンサが電気的に短絡状態となる。そのため

下図の等価回路になる。ゆえに I0=E/R1

AスイッチSを閉じて、定常状態に達したときは、コンデンサが電気的に開放状態となる。そのため下図の等価回路になる。
ゆえに I
=E/(R1+R2)

解答 C

例題7 ブリッジ回路(その1)

(H12電験3種理論)

 図の直流回路において、電源を流れる電流I[A]の値として、正しいのは次のうちどれか。

 @1.0   A 1.5         B 2.0   C 2.5          D 3.0

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解説および解答

 上図の回路はブリッチ回路であり、対角線上の抵抗値の積が等しいので、6Ωの抵抗には電流が流れず、電気的には開放状態と同等である。すなわち下図の等価回路となる。

上回路の合成抵抗をRとすると、

     解答 C


例題8 ブリッジ回路(その2)

(H10電験3種理論)
 図のような回路において、端子ab間の合成抵抗[Ω]の値として、正しいのは次のうちどれか。

[ @2.5  A3.0 B 3.5 C 4.0 D4.5  ]

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★解説および解答

上図において同じ抵抗値で並列回路が構成されているので、3[Ω]の両端の電位は等しく電流が流れないので、電気的に開放された状態と同等である。
 よって、図1のような回路に変換し簡略化することが出来る。7Ωの並列回路であるため、合成抵抗は3,5Ωとなる。    解答 B




例題9 直流回路の静電・磁気エネルギー

(H11電験3種理論)
 図のL及びCを含む直流回路において、L及びCに蓄えられるエネルギーの合計値[J]として、正しいのは次のうちどれか。


[  @  6  A  30  B  46   C  54  D  80 ]

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★解説および解答

電源が直流なので、定常状態ではLは短絡状態であり、Cは開放状態となる。つまり下図のような等価回路となり、回路に流れる電流I(Lに流れる電流と同じ)とし、抵抗2Ωに加わる電圧をV(Cの充電電圧と同じ)とすると、

また、Lに蓄えられるエネルギーをW1、Cに蓄えられるエネルギーをW2とすると、公式により




例題10 直流回路の消費電力

H10電験3種理論
 二つの抵抗R
1[Ω]及びR2[Ω]を図1のように並列に接続した場合の全消費電力は、これら二つの抵抗を図2にように直列に接続した場合の全消費電力の6倍であった。このとき、R2の値として、正しいものは次のうちどれか。ただし、R1=1[Ω]、R2>R1とし、電源Eの内部抵抗は無視するものとする。


[   @  1.1    A  1.4    B  2.0    C  3.7    D  4.3  ]

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★解説および解答

1の消費電力をP1、図2の消費電力をP2とすると

題意より、P1=6P2なので

R1=1を代入してR2について解くと、

ゆえにR20.3  or  3.7   題意よりR2>R1なので、 R23.7(Ω)

                     解答 C