電熱・照明について

例題1  熱のコームの法則(その1)

例題2 熱のオームの法則(その2)

例題3 電熱器の発熱量計算











例題1 熱のオームの法則(その1)

H11 電験3種機械)
電気炉の外壁に垂直に小穴をあけ、温度計を挿入して壁の外面から10[cm]30[cm]の箇所で壁の内部温度を測定したところ、それぞれ72[]142[]の値が得られた。炉壁の熱伝導率を0.94[W/(mk)]とすれば、この炉壁からの単位面積当たりの熱損失[W/]の値として、正しいのは次のうちどれか。

[  ① 3.29   ② 14.9   ③ 165  ④ 329  ⑤ 1 490 ]

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★解答及び解説

I:熱流(w) θ:温度差(℃) R:熱抵抗(K/W)とすると、 熱のオームの法則により

・・・・①の関係式が成り立つ。 

また熱抵抗
Rは、熱が伝わる距離にLに比例し、伝わる面積Sに反比例する。この比例定数が熱抵抗率ρであり、熱抵抗率の逆数1/ρが熱伝導率σである。

・・・・②

①に②を代入すると、・・・③

上の③式において、L=0.30.1(m) Sは単位面積当たりのなでS=1(㎡)θ=(14272

σ=0.94なので、I=14272)×0.94×1÷(0.30.1)=329 [W/]  解答 ④


(ちょっと変わった解き方)

電験3種にはヒントが隠されています。この問題は単位です。求める答えは熱損失であり、単位が[W/]です。この単位を見れば、内容が分からなくても答えが出せます。

炉壁の熱伝導率が0.94で単位が[W/(mk)]であり求める単位が[W/]なので、この熱伝導率に温度を掛けて、長さで割れば単位が[W/]になります。題意より温度は温度差(14272)、距離はメータに換算し(0.30.1)なので、0.94×(14272)÷(0.30.1)で答えが出ます。ちょっと邪道な解き方ですが、問題の解き方が分からないときは、単位に着目することで答えが出る場合が多くあります。






例題2 熱のオームの法則(その2)

(H10 電験3種機械)

 面積25[]、厚さ10[cm]、熱伝導率0.4[W/(mk)の壁がある。この壁の内外面の温度差が4[K]に保たれているとき、熱伝導によってこの壁を伝わる熱流[W]の値として、正しいのは次のうちどれか。

[   ①  16   ②  40   ③  250   ④  400   ⑤  2 500  ]


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★解答及び解説

I:熱流(w) θ:温度差(℃) R:熱抵抗(K/W)とすると、 熱のオームの法則により

・・・・①の関係式が成り立つ。 

また熱抵抗
Rは、熱が伝わる距離にLに比例し、伝わる面積Sに反比例する。この比例定数が熱抵抗率ρであり、熱抵抗率の逆数1/ρが熱伝導率σである。

・・・・②

①に②を代入すると、・・・③

題意よりS=25[]、厚さL10[cm]ゆえに0.1[m]、熱伝導率0.4[W/(mk)、温度差θが4[K]

4×0.4×250.1400 (w)   解答 ④


例題3 電熱器の発熱量計算

(H9 電験3種機械)

 1気圧で20[]の水5.6[l]を一定の割合で加熱し、4時間ですべての水を蒸発させるには、何キロワットの電熱装置を必要とするか。正しい値を次のうちから選べ。ただし、水の蒸発熱を540[kcal/kg]とし、また、電熱装置の効率を70[%]とする。

[  ①  0.19  ②  1.2  ③  1.4  ④  1.8  ⑤  2.1 ]


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★解答及び解説


20[
]の水5.6[l]を全て蒸発させるには、水100℃まで上昇させ、さらに蒸発熱540[kcal/kg]が必要になる。

そのため、必要なカロリー数をAとすると、

A=(10020)×5.6540×5.6(80540)×5.63472 [kcal]

電熱器の電力をX[kW]とし、4時間で発生するカロリーをBとすると、1[kWh]=860[kcal]、及び効率が70[%]なので、
B=X×4×860×0.7
2408X

題意よりA=Bなので、2408X=3472 ゆえにX1.4 [kW]    解答 ③